人を把握するための社会的性格という普遍的分析『孤独な群衆』

「孤独な群衆」The Lonely Crowdは、1950年にアメリカの社会学者デイヴィッド・リースマン(David Riesman 1909-2002)によって発表された著作(共著者ネイサン・ グレイザー・リュエル・デニー)社会性格論という分野を打ち立てた著作として有名。
この本と著者、ご存じの方は多くはないのでしょう。
社会学や心理学を学んだ方以外は聞いたことも無いと思います。
この本自体、1950年初版なので当然です。
しかしその内容はちょっと怖くなるほど現代に通じる普遍性をもっています。

著者はあくまでも集合的社会的性格として捉えることに意味があると説いていますが、わたしの場合、家族、特に弟を理解するのにとても参考になりました。

部下やチームメイトの性格を知る

性格は4つに分類されていますが、ここではわかりやすく対照的な二つの性格を取り上げます。
著者もこの二つの性格の記述により多くのページを割いています。
みなさんも近しい人物を思い浮かべながらチェックしてみてください。

【1】内部指向的人間

【1】内部指向的人間
•教訓的な文学から(自分自信の)役割を学ぶ
•時間を浪費できない
•自分を高めるのに役立つという証拠がない限りほとんどレジャーというものをもたない(!)
•孤独に慣れている(・・)
•既成事実に抵抗することをしない
•多くの自我意識をもっている
•他人たちを人間として考えなかった 人間として考えたとしても細やかに分けて複雑な存在として考えたりすることがなかった
•しばしば趣味生活は仕事の延長であった
•仕事の情熱が趣味生活のなかで生かされ また趣味生活のなかで得られる技術的な熟練がそのまま仕事の価値につながる

【2】他人指向的人間

【2】他人指向的人間
•生活のなかでの非経済的な領域での生き方を教えるような文学に接触する(!)
•人間関係を中心に考える
•自分を頼りない存在だと認めている
•浪費を気にしない(・・)
•孤独に耐えられない
•ファンタジーにふける(!)
•同情的
•鋭い感受性(!)
•何かを取ってやろうという考えをもたない
•自分の仲間が弱いゆえにますます弱くなっていく
•権力を求めていない 権力を避け 遠ざかっていたい
•人を利用しようとしない
•人から認められたい
•内部指向的な人間よりもさらに多くの自我意識をもっている
•仕事の世界でのやむをえない友だちづきあいと純粋な友情の自発的な表現とをはっきりと区別することができない
•社交性を奪ったら自律的にはなりえない
•常に友人を必要としている

いかがでしょう。
大きく頷く項目がいくつもあったのではないでしょうか?
わたしは内部指向的で、弟は他人指向的。強く同意。(笑)

人間の性格というものは国や時代によって大きく異なるものではないでしょう。
新人類などと揶揄されがちな若者も性格的には大差ないと思います。

仕事仲間や会社の部下、付き合わなければならない親戚、また家族一人ひとりの性格を理解するヒントになるのではないでしょうか。
内向きの要素、外向き要素は単純に分かれるのではなく、多くの場合、複雑に混在するそうです。
この精神分析は社会の出来事に関わる人たちがどの部分を共有していたのか?というふうな歴史の解明に用いられるものであるということです。
興味ある方は是非一読を。

孤独な群衆 上 (始まりの本)

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