『友だち』(ドイツ・ロマン派全集 第一巻)
病に臥す友を訪ねる途中に、知らぬ間に導かれた幸福の世界。
これまで望み続けてきた魅惑的な宮殿生活があっさりと実現する。
恍惚として、この世のものとは思えぬ美しい婦人たちと過ごしていたルートヴィッヒだが、ふと地上の思い出がよぎる。
ここには、あの友情と愛が存在しない!すべてのものが美しくひとつになっていると思い、この国に入りたいと願ったのに・・・
妖魔に諭され、見えないはずの世界をあとにしたルートヴィッヒは、元気になった友に揺さぶられ、目を覚ます。