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誇示の文化
ファッショナブルであることへの熱望を服装だけではなく、室内装飾や家具のほかライフスタイルにまで拡大していったと指摘され始めたのが18世紀。
それ以前にも生活に美しさを求める傾向は、その嗜好と程度は人それぞれだとしても人間の本能として当然あったと思われます。
「この誇示の文化において、虚栄や高慢や貪欲とともに、立派な衣装も見せびらかされていた」とブリューワーは書いています。
ファッション評論家、人類学者が指摘した「誇示の文化」は時代を経てより洗練されて、現代はあからさまな表現は和らげられているのでしょうか。
誇示することも人間の欲求にあるかのように、見せつけることに歓びを感じているかのようなスタイルは華やかな業界ではよく見受けられます。
ロゴマークを大きく胸や背中に配したシャツ、あるいは小さく散りばめられたベルトやネクタイ。
それらは必要以上に視線を集めるので動く宣伝広告として機能しているとも言えます。
典型的かつ単調なマーク入りのファッションを身に着けることに疑問を感じない人が相当数存在するからこそコピー品の商売も成り立っていました。
単にロゴマークがあれば事足りるのでいとも簡単に偽造できたので1970年~1990年大量のコピー品が出回った。ブランド側の監視も甘かった。
いまはブランド各社の調査と税関の取り締まりによって鳴りを潜めてはいます。
ベルトの場合コーディネートは少々厄介
ブランド誇示アイテムは少々やっかいな代物だ。特にコーディネートの中心に位置するベルトの場合です。
たとえばヴィトンのモノグラムが全面に入ったベルトをつけたとしよう。
それは本人が想像する以上に強いイメージを発します。
見る者は必ず複数回そのベルトに視線を落とすでしょう。
店頭やインターネットなどでよく知る者はその価格が頭をよぎるだろうし、本物かコピー商品か判断してくれるかもしれません。
ベルトのロゴマークが饒舌すぎてコーディネートは統一感を失ってしまいます。
バックル全体がロゴマークで形作られたベルトにもこの影響から逃れられません。