スローファッションとエコサスティナビリティ
エコ・サスティナビリティ
あらゆる企業活動において、エコサスティナビリティ(環境に対するサステナビリティSustainability)に配慮した経営姿勢が問われています。
当然、素材の利用と生産、流通が環境に大きく影響するファッション業界においてもおさえておかなければならない必須の要件です。
● 二酸化炭素排出量の削減(無駄のないエネルギーの使い方)
● 廃棄される資源の再生や再利用(ものを大事に使う、使ったものは捨てずに再利用)
これ以上地球環境を悪化させないこと。環境を改善していくことがわたしたちの健康にもつながってきます。
WWDが提唱したスローファッション
2020年4月2日発刊のWWD紙面の記事”slow fashion”に重鎮が反応した。
ファッション業界はスローダウンするべきという趣旨で書かれた記事の内容はアルマーニ氏のコメントで推測してもらうか、WWDに会員登録してチェックしてほしい。
ジョルジオアルマーニ氏のWWD宛て公開書簡
4月3日ジョルジオアルマーニ Giorgio Armani 氏が1910年創刊の大手ファッション誌 WWD (Women’s Wear Daily)にオープンレター(公開書簡)を送った。
これは意図的に広く公開される手紙で、メガブランドを率いて1975年以来長年活躍を続けてきた氏が業界に向けて放った真意である。遅きに失したことは否めないが、ファッション界特有の慣習が大きく変えられるのはもはや時間の問題に違いない。
“Congratulations:The reflection on how absurd the current state of things is, with the overproduction of garments and a criminal non-alignment between the weather and the commercial season, is courageous and necessary. I agree with each and every point of it, in solidarity with the opinions expressed by my colleagues.”
そしてインスタグラムで公開されたメッセージ
“THE MOMENT WE ARE GOING THROUGH IS TURBULENT, BUT IT ALSO OFFERS US THE UNIQUE OPPORTUNITY TO FIX WHAT IS WRONG, TO REGAIN A MORE HUMAN DIMENSION. ITS NICE TO SEE THAT IN THIS SENSE WE ARE ALL UNITED.”
<WWDジャパン4月10日公開記事より>
「・・・
今回の危機は、業界の現状を一度リセットしてスローダウンするための貴重な機会でもある。現在イタリアは全土封鎖の措置が取られているが、それが解除された際には、春夏コレクションの商品が少なくとも9月初旬まで店頭に置かれるように手配した。それが自然な姿だと思うので、今後もずっとそうするつもりだ。」
ブルネロクチネリ氏のWWD宛て公開書簡
同じくイタリアのハイブランド ブルネロクチネリ創業者、Brunello Cucinelli氏も記事に反応。
“THE NEW TIME IS THIS OPPORTUNITY TO REDRESS OUR RELATIONSHIP WITH CREATION ACCORDING TO ITS RULES OF SIMPLE USE AND NOT WASTE OR CONSUMPTION, RESPECT FOR HUMAN DIGNITY, FAIR WORK, AND EVERYTHING IN THE WORLD THAT WORTHY OF BEING CALLED ‘HUMAN’.”
ファッション・アパレル業界の課題=過剰生産
とあるテレビ番組でアパレル在庫を大量に買い取る会社が紹介されていた。事情があってシーズン遅れになってしまい、行き場をなくして生産工場の在庫となってしまった洋服。予測よりはやくブームが去ってしまったり、ニーズを見誤ってつくられたりと買取を依頼する理由はさまざま。買取会社は損が出ないよう引き取って安価で販売。究極の在庫処分を業とするその一方で企画品を手掛けているというので驚いた。無駄な生産にならないよう願うばかりだ。
有名ブランドのタグを取り去って店頭で激安価格で並ぶ場合もある。わかる人にはわかる掘り出し物だ。キズや傷みがあるわけではないので間違いなくお得な買い物になる。
需要と供給を見定めながら自社ブランドのシェアと販売時点での他社
競合品の認知度など生産数の過不足のない決定は至難の業に違いない。
クラウドファンディングという方式の「受注生産」なら間違いないのだろうが、業界にそんな猶予はないのだろう。