服の素材にポリエステル、ナイロンなどの化学繊維を選ばないでほしい。その理由はサステナブル・・
化学繊維製品という流行?
猛暑が続いた今年の夏はひんやりとした肌感覚を謳った肌着がブームのようになっていました。
速乾性も家庭で洗濯する場合便利な機能ではあります。
しかし、ドライタッチ、エアリズム・・というような特別な加工が施された衣類の多くは化学繊維で作られています。
ナイロン、ポリウレタン、ポリエステル・・
廃棄衣料という問題
チリ北部に南北約1000キロに広がるアタカマ砂漠があります。
世界中から訪れる観光客は、ここにまとまった雨が降った時だけ一面に咲く鮮やかな花が目当てだそうですが、最近はこの砂漠に毎年およそ3万9000トンの衣料品が捨てられているそうです。
その廃棄衣料には、自然界では分解されない化学繊維が含まれているものも当然多い。
それらが分解されないまま徐々に砂に埋もれていき、土壌を汚染しています。
度々火災が起きて大量の有毒ガスを発生させてもいます。
衣料品の在庫処分に、このような環境汚染につながる悪質な方法がとられている事実を見聞きすると、ただただ残念な思いしかありません。
自然に還る素材
わかりやすい例を挙げよう。紅葉その他の苗木を移動する場合、根についた土が落ちないように麻の布でくるむ習慣があります。
そしてくるんだ麻布をそのままにして植えるそうです。
なぜなら、麻布は地中でやがて分解され、土に還るということです。
天然素材はそういう性質をもっているんですね。
個人が衣料品を廃棄する場合
それぞれの家庭で不要になった衣料品を処分するケースでは、フリーマーケットでリサイクル品として出品する場合は問題ないでしょう。
しかしリサイクルに適さないものは普通ごみと一緒に出されるとすれば、焼却時に有毒ガスを発生させることになります。
工場などで汚れを拭くのに利用される「ウエス」も同じく普通ごみとして処分されるのであれば同様です。
天然素材の生地であればゴミとして焼却されても有毒ガスを発生させることはありません。
イギリス新進デザイナーの取り組み
イギリスのブランドMOP(マザーオブパール)のクリエイティブディレクター、エイミー・パウニーが(完全な)サステナビリティをファッション業界に持ち込む取り組みがドキュメンタリー映画として制作されている。
彼女の両親は環境活動家。地球環境に最も悪影響を及ぼしているのは自分のいるファッション業界だと気づいていた。
彼女が開発したエコ素材のニットをはじめ、さまざまな生地が生産される過程で排出される二酸化炭素量など、映画で明らかにされ、ショックを与える・・
彼女の取り組みが映画になり(『ファッション・リイマジン』)、より多くの人々が消費について考える機会をもつことを祈ります。
リサイクルよりも天然素材推しを!
例として取り上げた化繊素材のシリーズはユニクロ、GUですが、ドライタッチのTシャツに限って言うと綿100%のそれと比べてさしたる違い(メリット)は自分には感じられませんでした。
同じルーズフィットTシャツで綿100%も揃えてありますが、売れ行きは良くないのか、ドライ。。のほうが品ぞろえは充実しています。
ユニクロでは、素材にリサイクルポリエステルを使用したりもしていますが、リサイクルにかけるコストには当然制限があるでしょう。顧客に豊富な選択肢を提供する販売手法は理解できます。
しかし巨大メーカーブランドだからこそ利用者の意識に影響を与えることもできるはずです。
化学繊維ありきで製品開発することにブレーキをかけてほしいと思うのですが無理な話でしょうか・・
天然素材の良さを広める方向でファッションムーヴメントを牽引してもらいたいと思います。
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