ヘルムート・バーガー Helmut Berger
(1944年5月29日生)
父親のホテル業を嫌い、演劇の世界に入る。
巨匠ルキノ・ヴィスコンティに見出され、映画俳優として開花。
ヴィスコンティ監督亡き後、目立った活躍は聞こえてこない。
しなやかな身体と美しい顔立ちで、数々の恋の遍歴を重ね、スキャンダラスなゴッシップ記事を提供し続ける。
(パパラッツィ達の生活の糧)
自伝ではバイセクシャルな体験を綴り、寵愛を受けたヴィスコンティ監督が亡くなってからは自らを”未亡人”と呼んではばからない彼は、『雨のエトランゼ』(1970)の原題Un Beau Monstre “美しき獣”そのものとして本能のままに生きているようだ。
私生活においても存分に発揮してきたその強烈な個性は、ほかにはちょっと見当たらない。
『雨のエトランゼ』UN BEAU MONSTRE(1970)
不眠症の新妻を自殺に追いやった後に、早々とベランダ越しに想いを寄せるブロンド美女(ナタリー:ヴィルナ・リージ)を落とす手管。
・待ち合わせに遅れること。
・痺れを切らせて帰ろうとするその時、ようやく姿を見せること。
・女がその気になった日にさえ抱かずに帰すこと。
そうして本物に思える恋が始まる・・・
愛人とも別れさせ、結婚するのだが、彼は自分を愛してくれる女の気持ちを酌むことがない。
美しい、しなやかな肢体の、病んだ獣。
愛した女を傷つけ、瀕死の状態に追い込んでさえ愛の形を探そうとしている。逃げ出そうとする女は出生の秘密を知り、彼にはやはり自分が必要だと思い直し、舞い戻る。
今度こそ狂おしいほどの、本物の愛を得た。そう確信したとき彼は・・・
主人公アラン役は、ヘルムート・バーガー以外には決して考えられない。
フレアパンツの似合う細身の長身。Vゾーンいっぱいのロングカラーのダブルカフスシャツはノーブルなイメージ。タイトなスーツ、短く整えた口髭に栗色の長髪。今ならDolce&Gabbana;・VERSACE・LOUIS VUITTONのイメージモデルといったところか。
流れる甘いメロディは”恋するナタリー”だけではなく、多くの人が気にいるはず。
衣装:クリスチャン・ディオールChristian Dior
音楽:ジョルジュ・ガルバランツGeorges Garvarents
挿入歌:My Way Of Loving You(Wallase Collection)
Stay(Wallece Collection)