近頃のメンズジャケットのゴージラインは高すぎるんじゃないか。
ゴージラインというのはジャケットのラペル(襟)の上襟と下襟を縫い合わせた部分のこと。
ジャケットのゴージラインが高すぎるゾッ!
ゴージライン位置の変化
かつてイタリアファッション界の巨匠ジョルジオアルマーニが衣装を担当したリチャード・ギア主演の『アメリカン・ジゴロ』(1980)では低いゴージラインのしなやかなジャケットのスーツが話題となり、特にアメリカでは低いゴージラインは長くメンズジャケットスタイルの主流となった。
”テキスタイルメーカーのセルッティで、これまで例のなかったテーラー仕立ての紳士服の既製服ブランドヒットマンのデザインアシスタントに着任。既存のジャケットの構造をすべて解体し、自由に動きやすくしたアンコンジャケット(アンコンストラクテッドジャケット=非構築的ジャケット)は、年齢に関係なく若々しいイメージを与え、メディアから注目の的に。やがて他ブランドのデザインも手がけるようになったアルマーニのコレクションは大盛況となったのです。”
引用:男女の性差を越えた美を創造したジョルジオ・アルマーニ 映画に見る憧れのブランド2018年6月16日
ジョルジオアルマーニGIORGIO ARMANIが現在提案するジャケットなど
現在のジャケットスタイル
世界最大級のメンズプレタポルテの見本市ピッティPitti(イタリアのフィレンツェで毎年2回 1月と6月頃に行われる)ではクラシックスタイルが主流。
クラシックなジャケットのゴージラインは高めに位置している。
アメリカのブルックスブラザーズ、ラルフローレン、Jプレスも”イタリアンクラシコ”と同じくトラディショナルなスタイルを堅持している。
ゴージラインが高いと目線が引き上げられ、すらっと見える。
クラシックスタイルよりもさらに高いゴージラインに新しさは感じる。いまやイタリアをはじめ国内も同様、多くのブランドがこの極端なハイゴージを基調としているかのような展開なのが気になる。
あと一歩で肩の上に乗ってしまう・・そんな様子に違和感を覚える。
「過ぎたるは及ばざるが如し」
新しいスタイルの洋服が発するインパクトは出現当初には新規性を感じさせるが、そのインパクトは当然時とともに薄れ、陳腐化しやすい。品がないとは言わないが、クラシックな正統派に安定を感じる。やっぱりナチュラルが一番。
しっかりと作り込まれたテーラードのジャケットは決して安くはない。何万円も支払って購入するのだからいつまでも愛用したいもの。程よい塩梅(あんばい)、中庸を良しとしたい。
ブルックスブラザーズのジャケット
トラッドなジャケットのゴージはもともと高めです。
高すぎないゴージライン アメリカントラッドの雄ブルックスブラザーズ
BROOKS BROTHERS 段返り3釦ブレザーRegent 表地-ウール100% 胴裏地・袖裏地-キュプラ100% サイドベンツ 原産国アメリカ 税込価格 ¥132,000 |
ジョルジオアルマーニのジャケット
一瞥で品格とリラックスできる着心地を感じさせるジョルジオアルマーニのジャケット
GIORGIO ARMANI テーラードジャケット 表地レーヨン52% ナイロン28% バージンウール18% ポリウレタン 2% サイドベンツ 原産国イタリア 税込価格 ¥164,100 |
ゼニアのジャケット
伝統的イタリアンファッションの中庸を行くジャケットは素材が秀逸。ウール工場から始まったブランド。
ZZEGNA テーラードジャケット ウール75% ナイロン25% ハウンドトゥースチェック柄 サイドベンツ 原産国イタリア 税込価格 ¥76,900 |
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